合成皮革とはどのような素材?本革・人工皮革との違いや適した家具を解説
レザーにはさまざまな種類があり、牛など動物の革を使用した天然皮革に対して、人工的に作られたのが合成皮革です。
天然皮革に近付けるために改良が進められ、今では天然皮革に勝るとも劣らない質感になっており、高いクオリティの素材になっています。
本革ならではの質感や柔らかさなどから、天然皮革を好む方は多いはず。しかし合成皮革だからこそのメリットも多くあるため、一方的に劣るわけではありません。見た目や感触などもさることながら、天然皮革に比べ手入れが簡単だったり、色鮮やかだったりと、天然皮革にはない長所もあります。天然皮革よりも安価なため、手に入れやすいのが大きなメリットです。
そこで今回は合成皮革とはどのような素材なのか、本革・人工皮革との違いや適した家具を解説します。合成・天然問わず皮革を使用した家具を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
合成皮革とは?
合成皮革とは、天然の素材である本革に似せて作られた素材のこと。ベースとなる布地(不織布以外)の上に、合成樹脂を塗ることで、天然の革のような質感を再現したものです。表面には、天然皮革に似せたシワや模様を人工的に作り出しています。
シワや模様以外にもスエード加工(起毛させた革)も再現可能で、技術が進んだことにより、パッと見ただけでは天然皮革と区別がつかないほど高クオリティのものもあります。合成皮革というと安価な代替品のようなイメージがあるかもしれませんが、ランドセルや車の座席シートに使われる高品質なものもあり、決して天然皮革に劣りません。またひと口に合成皮革といっても種類があり、大きく「PVCレザー」と「PUレザー」の2つに分けられます。
まずPVCレザー(塩ビレザー・ビニールレザー)は、水・酸・アルカリ・薬品に強く、難燃で電気を通さないのが特徴。安価に製造できるため、多くの業務用家具に使用されています。色や柄の表現にも優れており、染色やプリントを施しやすいのもポイント。天然皮革ではできない色鮮やかな製品を生み出せます。水や薬品に強いため、洗剤を使用しての掃除も可能です。より手入れがしやすく安価なものを求めるなら、PVCレザーがおすすめです。
次にPUレザー(ポリウレタンレザー)は、天然皮革やPVCレザーよりも軽く、引っ張り・摩擦・衝撃・油や薬品に強いのが特徴。柔らかくしなやかな合成皮革です。特に柔らかく仕上げられたものはソフトレザーと呼ばれ、伸びに強いため複雑な形のソファなどに使用されます。
また天然皮革に比べ通気性に劣るのが合成皮革の弱点でしたが、技術の進歩で通気性が良くべたつかないPUレザーが増えてきました。PVCレザーより触り心地や柔らかさが本革に近く、劣化しにくく寿命が長いため、より高級感ある質感を求めるなら、PUレザーがおすすめです。どちらも一長一短なので、それぞれの良さを把握して、理想に近いものを選びましょう。
本革との違い
本革と呼ばれる天然皮革は、基本的に牛の革。特にソファなどの家具には大きさ・耐久性が必要なため、牛革が使用されます。他にも羊やヘビ、ワニなどの革も、製品によっては使用されます。本革は合成皮革と違い、水拭きは厳禁。手入れの際は乾拭きするのが基本です。
水濡れに弱く、飲み物などをこぼさないよう注意する必要があるので、小さい子供がいる仮定には不向き。合成皮革の方が、メンテナンスしたすいといえます。また染色やプリントなどが難しく、合成皮革ほどバリエーション豊かではありません。
ただし、合成皮革では出せない本革ならではの持ち味として、経年変化が挙げられます。本革は使い込むほどに馴染み、風合いが出てくるため、年月とともに深みが増していきます。
人工皮革との違い
人工皮革は合成皮革と同様に、本革を再現すべく人工的に作られた素材です。
人工皮革の大きな特徴は構造。動物の皮膚に存在する繊維の塊である「コラーゲン」を、超極細のマイクロファイバーで再現し、ポリウレタン樹脂で結合させています。天然皮革の見た目や肌触りだけでなく、内部構造から再現している素材です。合成皮革とは、天然皮革に似せるためのアプローチが大きく異なります。
構造から近いため天然皮革と同じく、サンドペーパーでやすり掛けすると、起毛させることが可能。人工物にも関わらず、スエード加工を施せます。人工的に作り出したとは思えないほど、滑らかな触り心地に仕上げることも可能です。また水や衝撃に強く軽いため、天然皮革より扱いやすい素材です。
合成皮革はどのような家具に向いている?
合成皮革はさまざまなモノに使用されていますが、家具への使用としては「椅子」「ソファ」などに適しています。
本革は滑らかな質感や上質な肌触り、高級感などが味わえる素材ですが、色のバリエーションが少ない・手入れしにくい・重い・値段が高いなどのデメリットがあるのも事実です。しかし合成皮革なら染色やプリントを施しやすいため、多くのバリエーションの中から気に入ったものを選べます。水拭きや洗剤への耐性も高いため、手軽にメンテナンスできるのもポイント。清潔な状態で使用しやすくなっています。
天然皮革に近く天然皮革にはない持ち味を持っているにも関わらず、本革よりリーズナブルで購入できるのも魅力です。
本革を使用した椅子やソファが欲しいものの、値段がネックになっている方には、合成皮革の家具がおすすめです。
合成皮革は天然皮革に負けず劣らず魅力的な素材
合成皮革は、天然皮革の質感を再現した素材。人工物だからと劣っているわけではなく、本物に迫る高いクオリティを誇ります。
加えて天然皮革のデメリットである水や薬品への耐性の低さや、バリエーションの少なさなどを克服しているため、本革にはない魅力があります。なによりリーズナブルなので、本革のような見た目・手触り・高級感などを安価で楽しむことが可能です。革製の家具を探している方は、ぜひ合成皮革の商品もチェックしてみてください。
- 最終更新
- 2022.09.16