オーク材とは?家具にうれしい3つのメリットとおしゃれな厳選導入事例15選
無垢材を使用した家具の美しさや機能は木材によって個性が異なります。樹種ごとの特徴や良さを覚えておけば、家具選びはより楽しくて奥深いものになっていきます。
この記事では無垢材の中でも高いオーク材について、
- オーク材とはどんな素材か
- オーク材のより詳細な分類
- オーク材を家具に使うメリット
- オーク材を使用したおしゃれな家具の導入事例
などについて、すぐに役立つ情報をご提供します。
オーク材とは?家具選びでぜひ知っておきたい基礎知識
「オーク(oak)」はブナ科のナラ属の総称です。
ブナ科ナラ属には有用樹種が多く、弾性に富み、頑丈な良材を生み出す樹種として知られています。
オークは樹種によっては高さが30mを優に超え、樹齢1500年を超えるものもあります。それだけの巨木を長期間支えるわけですから、非常に強靭で強い生命力を感じられる木材となる訳です。
ナラ属は細かく分けると、
- 落葉樹のナラ属…ミズナラやコナラなど
- 常緑樹のカシ属…アカガシやシラカシなど
の2種類に分類されることもあります。木材としては常緑樹より落葉樹の方が木目が明瞭です。
オーク材は基本的に落葉樹が使用されていますが、単に英語で“oak”という場合には常緑樹を含むこともあります。
特に欧米文化圏では古くから、
- 床、腰板、窓枠などの内装材
- 帆船・軍艦など大型船舶
- 洋酒(ブランデー、ウイスキー、ワインなど)の樽
などにオーク材が活用されてきました。
家具に使われるオーク材は主にこの4種類
一般に流通しているオーク材には主に下記の4種類があります。
- レッドオーク
- ホワイトオーク
- ヨーロッパオーク
- ジャパニーズオーク(ナラ・ミズナラ)
それぞれの特徴は下記の通りです。
レッドオーク
レッドオーク(学名:Quercus rubra、和名:アカナラ、アカガシワ)は北アメリカ原産のオーク材です。
レッドオークには下記のような個性が見られます
- 木肌の色味は名前の通り美しい赤褐色
- 木目は明瞭で人を惹きつける重厚な質感を持つ
- 固く、重いが柔軟性があり加工性は良好
- 流通量が多く、他のオーク材より安価で手に入れやすい
- 耐水性にやや劣る
強度はホワイトオークに比べてやや劣るものの、家具としての使用で問題になることはまずありません。
ホワイトオーク
ホワイトオーク(学名:Quercus alba)は「アメリカンホワイトオーク」と呼ばれることもあるように、主に北アメリカに分布します。
ヨーロッパ産のものは「ヨーロッパホワイトオーク」として取り扱われることもあります。
ホワイトオークには下記のような個性が見られます。
- 強度・硬度が非常に高く、加工がやや難しい
- 木目は直線的で、木肌は淡いクリーム色から褐色までの明るい色
- タンニンが少なく、ヒラタキクイムシによる虫害が見られることがある
- 独特の香味を持ち、洋酒の樽として愛用される
辺材(樹木の外側の木材)は白っぽく、心材(樹木の中心側の木材)は黄色味がかっているという特徴があるため同じホワイトオーク材でも色味に個体差が見られることもあります。
他のオーク材と比べて大きく異なる点はありませんが、個体によっては木目が荒い(幅が広い)ものもあります。
ヨーロッパオーク
ヨーロッパオーク(学名:Quercus robur、和名:セイヨウナラ)は主にヨーロッパ全域に分布するオークで、とりわけロシアより西に分布します。
ヨーロピアンオークには他のオーク材に比べて下記のような個性が見られます。
- 強度が高い
- タンニン含有量が多く、腐食に強い
- 節がやや目立つ
ヨーロピアンオークの色合いには淡いブラウンからグレイッシュなものなど、すこし幅があります。
ジャパニーズオーク(ナラ)
ジャパニーズオーク(学名:Quercus mongolica var. crispula、和名:ミズナラ、オオナラ)は日本の温帯林に分布するオークで、特に北海道産のものが良材とされます。
ジャパニーズオークには他のオーク材に比べて下記のような個性が見られます。
- 辺材付近の色はかなり明るく、心材に向けてやや暗く、褐色・灰色がかった色味になる
- 切削は困難だが、柔軟であり曲木加工はしやすい
- 固く頑丈だが釘打ちなどでは割れやすい
- 防水性が高い
- 希少性が高く、高額
日本産の優良な木材として名を馳せていたため古くからヨーロッパなどに輸出されており、ルーブル美術館にはジャパニーズオークで製造された家具が展示されています。
名前にジャパニーズと付されていますが必ずしも国産とは限らず、モンゴル産のナラ材なども流通しています。
オーク材家具の嬉しい3つのメリットとは?
オーク材は家具に日本・海外のどちらでも古くから家具に愛用されてきた木材です。
オーク材は特に下記のような特徴によって安定した人気があります。
メリット①:頑丈で、変形に強い|経年変化を長く楽しめる
オーク材は、
- 木部繊維の密度が高いため、固くて変形にも強い
- タンニンを含んでいて虫害を受けにくい
という特徴があります。
そのため、
- 頑丈さが求められる椅子
- 食器や文具による摩耗・傷への耐久性が求められるテーブル
などの使用に向いています。
オーク材が頑丈なのは広葉樹であるため、というのが大きな理由の一つです。
広葉樹の構成は複雑で、複数の種類の細胞組織が役割分担するような作りになっています。
たとえば水を吸い上げる道管とは別に、樹木全体の強度を支える木部繊維が発達しています。
この木部繊維のおかげで、数十メートルの高さになる巨木が枝葉を大きく広げながらもバランスを保ち、倒れることなく立っていられるのです。
このような性質により、ヨーロッパなどではオーク材のアンティーク家具が多く現存し、高値で取引されることもあります。
時間の流れと共に質感は深まり価値が高まっていくというのも、オーク材家具の大きな魅力の一つです。
メリット②:耐水性が高い|あらゆるシーンで使いやすい
オーク材を伐採・製材する時、「チロース」と呼ばれる物質が水の通り道になる道管を塞ぐため、オーク材は優れた耐水性を備えた木材となります。
そのため、
- 水のかかりやすいダイニングテーブル
- 何度も拭き上げる必要のあるカフェ・レストラン用のテーブル
などを含め、屋内のあらゆるインテリアシーンで気兼ねなく使用できます。
オーク材の耐水性は酒樽や船舶に多用されていた歴史も実証済みですが、長期間愛用していくためにはコーティングされているものを選ぶという方法もあります。
メリット③:色と木目の美しさ|インテリア空間に彩りが加わる
オーク材の美しさを堪能するには、
- 樹種による色味の差
- カットの仕方による木目の違い
などに注目すると、より高度な家具選びができるようになります。
上記でも少しご紹介したように、
- 清潔感のある明るい色合いを好むならホワイトオーク
- 赤みを帯び、濃淡のはっきりした木目を好むならレッドオーク
- 優しく穏やかな風合いを好むならジャパニーズオークやヨーロピアンオーク
などの細かな違いに注目した選び方をすることもできます。
また、オーク材に現れる木目には、下記のような種類があります。
- 柾目:美しいカーブを描く木目
- 板目:潔さのある直線的な木目
- 虎斑:柾目の中に表れることがある、虎の毛皮を連想させる独特の紋様
このような木目の違いは、主に丸太から切り出す際の角度によって表れます。とりわけオーク材の特徴とされるのは虎斑で、この模様が表れたオーク材を特に好むという人もいます。
オーク材の木目や色合いは深みや品格が感じられ、ろくろ加工(ターニングレッグ)やレリーフ(装飾のための彫刻)など、装飾性の高いアンティークなデザインの家具ともよく調和します。
強く美しいオーク材のダイニングテーブル・デスク|おしゃれな導入事例5選
オーク材は耐水性に加えて傷や摩擦に強く、ダイニングテーブルやワークスペース向きの木材です。
オーク材を使ったダイニングテーブル・デスクには下記のようなおすすめ製品があります。
CT25|オーク材ヘリンボーン張りのクラシックモダンなダイニングテーブル
CT25は寄せ木細工の手法の一つである「ヘリンボーン張り」を採用したダイニングテーブル。
ヘリンボーン張りはベルサイユ宮殿のフローリングが発祥と言われており、中世ヨーロッパを思わせるクラシックな趣きがあります。
張り合わせられたオーク材の一枚一枚異なる色味や木目のコントラストが目を惹く一台となっています。
CT10|ろくろ加工の脚部が目を惹くクラシカルなダイニングテーブル
CT10では、ろくろ加工を施したクラシカルな脚部に、オーク材の天板を載せたダイニングテーブルです。
このテーブル天板では節(ふし)も美しい個性となるように、オーク材を剥合わせた天板を採用しています。
ダイニングテーブルやワークスペースなど、幅広く使える一台となっています。
CT05|オーク材のパケットフローリングを天板に採用したテーブル
CT05ではオーク材パーケットフローリングを貼り合せたデザインとし、小口には黒皮風塗装のスチールを採用しました。
天板の表面は古き良き時代のヨーロッパ建築のフローリングを連想させる古材風にラフに仕上げました。
アンティークな雰囲気にもインダストリアルなスタイルにもよく馴染みます。
CLT05|小型でもオーク材の木目が引き立つクラシカルなサイドテーブル
CLT05は脚付きのチェスボードを思わせる、品格と遊び心を併せ持つサイドテーブルです。
このサイドテーブルではオーク材と合わせてアユース材も使用しています。アユースは軽量で木目が美しく、エレキギターなどにも採用される木材です。
ろくろ加工のフォルムは気品を求められるインテリア空間にも柔軟に対応します。
CT40|自然な風合いがフレンドリーなラウンドテーブル
CT40はオーク材突板を使用したラウンド型テーブル。
天板の小口も木のナチュラルな風合いが損なわれない無垢回し仕上げとするなど、細部にまで自然の温もりが感じられるデザインとなっています。
ナチュラルなインテリア空間には特に取り入れやすく、観葉植物などともよく調和するでしょう。
強く美しいオーク材の椅子|おしゃれな導入事例5選
オーク材の頑丈さは体を支える椅子のフレーム材としても理想的です。
ダメージを気にせず日常使いできるオーク材のおすすめ椅子には下記のようなラインナップがあります。
C206|長く愛されるオーソドックスなデザインのダイニングチェア
C206はオーソドックスなフォルムにオーク材の美しい木目が映える、コーディネートしやすいダイニングチェア。
オーク材のフレームは硬くて傷に強く、あらゆるインテリア空間での長期間の使用にも対応可能。経年変化も楽しみな一脚です。
張り地との組み合わせで優しいもユニークな雰囲気を持ち、飲食店やワークスペースなどさまざまなインテリア空間で活躍します。
C211|「アダムデザイン」をベースとしたレッドオークを採用した椅子
C211はアンティーク家具を彷彿とさせるフォルム、そしてレッドオークの赤みがかった質感が際立つ一脚です。
この椅子のデザインのベースとなっているのは「アダムスタイル」のデザイン様式。
アダムスタイルとは18世紀のイギリスではじまった様式で、古代ローマやエジプトの様式を参考に、繊細さや優雅さを取り入れたデザインが特徴となっています
直線的なフォルムとろくろ加工は上品に調和しており、重厚さと繊細さ、優雅さと落ち着きを感じられる一脚となっています。
C274|シンプルモダンで直線的なレッドオーク材の椅子
シンプルモダンなフォルムのC274ではフレーム部分にレッドオーク材を採用。
直線的なデザインであるものの、背面まで覆う張り地で、雰囲気は柔らかくポップに仕上げられています。
カフェ・レストランからラウンジ、待合室まで幅広く対応できる使い勝手の良いデザインが魅力の一脚です。
C278|レトロ&キュートな樽型アームチェア
C278はやや珍しい樽型のフォルムがキュートなアームチェア。フレームにはレッドオーク材を採用しています。
見た目には存在感がありますが、実はコンパクトなサイズ感に仕上げられているため、やや手狭なスペースなどにも配置しやすいのが特徴。
レトロな喫茶店などに置いてあると、ついつい座ってみたくなるデザインです。
C260|軽やかで親しみやすいフォルムのレッドオーク材の椅子
やや重厚でクラシックなデザインの家具によく採用されるレッドオークですが、C260ではポップで軽やかなデザインの椅子に仕上げました。
大型でやや傾斜をつけた座面、大きめの背もたれにより座り心地には安心感があり、背もたれがない分アプローチがしやすく親しみやすい雰囲気が大きな魅力です。
ナチュラルでポップなあらゆるインテリア空間に自然に溶け込む、温もりが感じられる一脚となっています。
強く美しいオーク材のソファ・ベンチ|おしゃれな導入事例5選
オーク材は多くの人が使用し、荷重がかかるソファの構造材としてもとても優秀です。
長く安心して使用できるオーク材のおすすめソファ・ベンチには下記のようなラインナップがあります。
C459-2|レッドオークのフレームに分厚いクッションが印象的なソファ
C459はレッドオークの堅牢なフレームに厚みのあるクッションを配置したダイナミックなフォルムが特徴。十分な奥行きがあるため深々と腰掛けてリラックスすることができます。
包み込むような座り心地は、多くの人が落ち着いてゆっくり時間を過ごすラウンジなどで使用するコントラクト・インテリアにぴったりです。
C334|ファーストクラスのような特別感を感じられるラウンジチェア
C334ではサイドパネルとアームにオーク材を採用。座面・背もたれにはホールド感のあるふっくらとしたクッションを配置しました。
高品質なファブリックとの組み合わせにより、ファーストクラスのような特別な座り心地と存在感をもつラウンジチェアとなっています。
眺望の良いラウンジやロビーなど、ゆっくりとくつろぎながら深く考え込んだり景観をじっくり楽しめる場所に配置したい一脚です。
C425-2|オーク突板と無垢材をスチールフレームで取り合わせたソファ
C425-2はオーク材、スチール、クッションという異質な素材を調和させたモダンなベンチシート風ソファ。
背面に配置されたオーク突板パネルが控えめながら全体をまとめ上げており、独特なバランス感覚をもつデザインに仕上げました。
肘掛けにもオーク材を採用し、オーク材の質感を触れて楽しむこともできる一台です。
C426-3|スチールパイプとオーク材のベンチシート風ソファ
C426-3はスチールパイプのフレームに堂々たるオーク材パネルを配置した、モダニズムを感じさせる一台です。
硬質なフレームを主要な構造としながらも、オーク材の自然な表情のおかげで硬質になりすぎず、程よいフレンドリーさを持つデザインに仕上げました。
肘掛けをなくすことによりベンチシートのようなアプローチの良さがあります。
C447-2|レッドオークの直線的な表情を活かしたソファ
C447-2はレッドオークの潔い木目を活かした、直線的で頑丈さを感じられるフォルムが魅力のソファ。
ウェービング+複層ウレタンフォームを採用したクッションはもちっとしたしなやかな座り心地で、ついつい長く座り込んでしまう快適さです。
年齢・性別を問わずあらゆる人に愛されるデザインで、飲食店から休憩スペースまで、幅広く活用できます。
まとめ
オーク材の基本的な特徴と4種類のオーク材の違いを知っておけば、家具選びはより楽しくなり、より高度なインテリアコーディネートができるようになりましょう。
オーク材は頑丈で美しく、長く使用していくほどに深みと愛着が増していく優れた家具を生み出します。
見た目だけでなく機能的にも優れたオーク材をコーディネートに賢く取り入れてみましょう。
- 最終更新
- 2024.02.15