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プリント紙化粧繊維板とは?メリット・デメリットや塗装の種類を紹介

家具の材料は切り出した木をそのまま使用する無垢材や、加工した木材である集成材や合板などさまざまな種類があります。

中でも家具の表面のような見た目が大事な部分には、化粧板と呼ばれるデザイン性の高い木材が使用されます。表面に美しい樹木を使用したものもあれば、プリント紙で木目を再現しているものまで多種多様です。

プリント紙化粧繊維板は他の木材と比べて安価なため、安く家具を製造できるのが強みです。「木目の雰囲気を味わいたいが、コストはなるべく抑えたい」場合にぴったりな素材といえます。

プリント紙化粧繊維板とはどのような素材なのか、メリット・デメリットや塗装の種類などと合わせて紹介します。

プリント紙化粧繊維板とは

プリント紙化粧繊維板は「繊維板」と呼ばれる板に、木目や柄を印刷した紙を貼り付けたものです。

繊維板は木材や植物の繊維を高温・高圧を加えて板状にしたもので、安価に製造でき堅く重いのが特徴です。

繊維板の表面にプリント紙を貼り付けることで、家具の表面を美しく整えます。プリントのため同一の木目・色を生み出せるので、インテリアに統一感を出せるのがポイントです。

またプリントのため、他の木材に比べると安価で手に入ります。

ただしプリント紙を貼り付けているため、粘着テープを貼ったり雑巾がけしたりすると、表面のプリント紙が剥がれてしまう可能性があります。

プリント紙化粧繊維板のメリット

家具にプリント紙化粧繊維板を使用するメリットは、大きく2つあります。それぞれ解説します。

価格が安く購入しやすい

プリント紙化粧繊維板は製造コスト安いため、価格を抑えられるのがメリットです。

家具表面を美しく見せる方法は、大きく以下3パターンあります。
無垢材を使用する
突板を使用する
プリントする
切り出したままの無垢材は木目が美しく、木材ならではの肌触りや質感が魅力です。しかし無垢材は貴重で、価格も高くなっています。

突板と呼ばれる無垢材をスライスして表面に貼り付けることで、無垢材の使用量をなるべく抑えながら木の質感を味わえる化粧板もありますが、無垢材を使用するためある程度コストがかかります。

その点プリント紙の場合は印刷なので大量生産でき、無垢材や突板よりも安く製造可能です。

素材のコストが安いため、プリント紙化粧繊維板が使われている家具は安く購入しやすくなっています。

インテリアに統一感を出せる

同一の色や木目・柄を生産できるので、同じシリーズの家具で揃えるとインテリアに統一感を出せるのもメリットです。

木目は指紋のように同じものはないため、無垢材を使用した家具はそれぞれ微妙に色や木目が異なるオンリーワンです。

突板の場合は表面の木材が薄いため、同じような模様を得ることは可能ですが、全く同じとは限りません。

しかしプリント紙化粧繊維板であれば、同じ木目や色が大量生産されているので、部屋の雰囲気を崩しません。部屋のインテリアに統一感を出しやすくなっています。

プリント紙化粧繊維板のデメリット

安価で購入できインテリアに統一感を出せるメリットがある一方で、プリント紙化粧繊維板を家具に使用するデメリットもあります。

メリット・デメリットどちらも把握しておけば、後悔しない家具選びができるでしょう。

キズに弱く表面が削れると内側が見える

キズに弱く、表面が削れると内側が見えてしまうのがデメリットです。

繊維板にプリント紙を貼っている二重構造なので、表面のプリント紙が削れると内側の繊維板が露出してしまいます。

デザイン性を高める化粧板の役目が、果たせなくなる可能性があります。

小さい子供やペットがいる家庭のような、キズが入りやすい環境での使用はあまり適しません。

表面のプリント紙が剥がれる可能性がある

表面のプリント紙が剥がれてしまう可能性があるのもデメリットです。

粘着力の高いテープなどを貼ると、テープと一緒に表面のプリント紙まで剥がれてしまう可能性があります。

また湿気や経年劣化によって、プリント紙が剥がれ落ちてしまうかもしれません。

いずれにせよ見た目が悪くなるので、扱いには注意が必要です。

プリント紙化粧繊維板に描かれる木目の種類

ひと口に木目といっても種類があり、丸太をどのように切るかによって「板目・柾目」の2つに分かれます。

プリント紙化粧繊維板に描かれる木目も、板目・柾目が再現されているので、どちらを選ぶかによってデザインが異なります。どのような違いがあるのか押さえておきましょう。

板目

丸太の中心からずらして切り出すと生まれる木目で、年輪がたけのこ状の曲線的な木目として表れるのが板目です。

板目は個性的なのが特徴で、一本の木でも同じものはありません。

木材らしいナチュラルな風合いが楽しめます。

柾目

丸太の中心に向かって切り出すと生まれる木目で、年輪が平行に直線的な木目として表れるのが柾目です。

整然と並んだ木目が美しく、日本家屋では障子や建具などに使われます。

ナチュラルで木のぬくもりを醸し出す板目と比べると、柾目は落ち着きのあるスタイリッシュなデザインを楽しめます。

プリント紙化粧繊維板に施される塗装の種類

プリント紙化粧繊維板には表面処理として、樹脂で塗装が施されています。アミノアルキド樹脂塗装とウレタン塗装の大きく2種類に分けられます。

アミノアルキド樹脂塗装

アルキド樹脂とアミノ樹脂の混合物による塗装で、堅く光沢のある表面になります。

プリント紙はキズや湿気などに弱く、削れてしまったり剥がれてしまったりするので、樹脂でコーティングして強度を高めます。

ウレタン塗装

ウレタン樹脂で塗装し、表面をコーティングする方法です。表面を樹脂で覆うことで、熱や衝撃に強くなります。

また安価に製造できるため、多くの家具に用いられています。

プリント紙の弱点であるキズや湿気に強くなりますが、一度キズができると目立ちやすく修理は困難です。

安価な家具は修理に出す方が高額になってしまうため、買い替えを検討した方が安くなります。

プリント紙化粧繊維板をリメイクするには?

「家具や建具の雰囲気を変えたい」場合は、思い切ってリメイクするのも1つの方法です。

とはいえプリント紙化粧繊維板は表面がツルツルなので、市販の塗料をそのまま使っても剥がれてしまいます。

プラスチックや金属など塗料がのりにくい素材と同じく、下塗り用の塗料であるマルチプライマーを使用しましょう。

マルチプライマーが乾いたら、ペイントしていきます。薄く2〜3回重ね塗りするのが、綺麗に仕上げるコツです。

色がついて欲しくない部分は、マスキングテープで養生しておきましょう。

また市販のリメイクシートを貼る方法もあります。木目調のものからタイル風・レンガ風とバリエーション豊富なので、手軽にDIYできます。

プリント紙化粧繊維板なら安価で木目を楽しめる

プリント紙化粧繊維板は、木や植物の繊維を高温・高圧で板状に固めた繊維板の表面に、プリント紙を貼り付けて美しく化粧した素材です。

色や柄、木目などプリントの種類は豊富で、インテリアに合わせやすくなっています。無垢材や突板と違い人工的な素材なので、統一したインテリアにできるのが強みです。

また大量生産可能なため、安く製造できるのも大きなメリットです。

貴重な樹木の無垢材や突板は高価になりがちですが、プリント紙化粧繊維板なら安価で木目の雰囲気を楽しめます。

 


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最終更新
2024.10.10

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